治療家としての20年間で学んだこと②

カイロプラクティックの学校で学びながら、学校の卒業生で開業されている先生や評判の良い先生にお願いをして、治療見学や研修を受けたりもしました。また、気になる先生や治療院には患者として自ら予約を取り、実際に治療を受けてみたりもしました。卒業後もお金はいらないから修行させてもらいたいと、カイロプラクティックの治療院で修業時代を過ごしました。アルバイトをしながら空いた時間で研修に行っていました。おそらく10件近くは見学や研修に行ったと思います。

 

また、カイロプラクティックには多くのテクニック(治療法)が存在し、それぞれ一長一短なところがあることもわかってきました。実際本場アメリカのカイロプラクターも最低2つ~3つのテクニックを使用しているのが当たり前で、1つのテクニックだけという方は少ないようです。私もあらゆるカイロプラクティックテクニックの専門書を購入し、色々なテクニックの理論や考え方を学びました。実際に学校での実技では「ディバーシファイドテクニック」と「アクティベーターメソッドカイロプラクティックテクニック」の2つをメインに学びました。

 

「ディバーシファイドテクニック」とは一般的に皆さんが想像しているカイロプラクティックのテクニックだと思います。ただこの「ディバーシファイドテクニック」、きちんと習得するには何年も修業しなければ身に付けることが出来ないほど大変高度なテクニックです。カイロを習ったことの無い人がただボキボキさせて「カイロプラクティック」と言っている人がたまにいますが、そんな簡単には身に付きません。見ただけできちんと学んだ人かそうでない人かはすぐに分かります。アメリカの大学でも何年もかけて習得します。

本当のテクニックは脊柱や骨盤の動きの悪くなっている関節1か所を、ピンポイントで最小限の負荷で正確に矯正できなけれななりません。また、矯正ポイントとなる動きの悪い背骨や骨盤の関節を見つけるには、大変高度な触診能力が必要となります。「スタティックパルペーション(静的触診)」と「モーションパルペーション(動的触診)」の2つが出来なければ、矯正ポイントすら分かりません。このテクニックを正しく習得するのは本当に大変でしたが、それにより相当の触診能力が付いたと思います。

 

「アクティベーターメソッドカイロプラクティックテクニック」は、ディバーシファイドとは全く異なり、中枢神経系(脳と脊髄)を経由した反射を利用した独自の脚長差検査法により異常個所を検出、アクティベーターという特殊な矯正器具(骨に神経へ作用させやすい最も適した周波数の振動を発生させる)を使用して治療していきます。骨を動かすというより、中枢神経系に対し刺激を送り、体に治す力を呼び戻させるといった方が分かりやすいかもしれません。

 ~12回連載・③へ続く~