治療家としての20年間で学んだこと④

その後、紹介で整骨院で働くことになりました。そこではカイロの治療などは行ってはいませんでしたが、まだまだ勉強したいことがたくさんあったので、そこで勤務しながら稼いだお金をセミナーや勉強会などにつぎ込み、さらに治療の勉強と技術の向上を目指しました。

 

そこでお世話になった先生の紹介で、柔道整復師の学校「日本健康医療専門学校」(東京都台東区浅草橋)にも通うことができました。柔道整復師の資格を取得しようと考えた理由は2つです。

1、カイロプラクティックやキネシオテーピング療法だけでは、慢性の症状には強いが、骨折や脱臼、捻挫などのケガ(急性の症状)には対処が難しい。

2、今後の医療業界の事を考えると、国家資格が無いと色々な面で厳しくなると思われる。

 

1は、実際にカイロの治療院で患者さんが「今日転んで足を捻ってしまったので、ついでに見てもらえないか?」などと急性のケガをされて患部が腫れてしまっている患者さんが、たまに来院されることがありました。そのような経験から急性症状の治療の必要性を以前から感じており、急性・慢性全ての筋・骨格系(運動器系)の症状を見れなければならないと強く感じていました。そのためには「柔道整復師」の勉強はやはり必要だと思いました(骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷に対する治療・施術は、医師・柔道整復師以外は法律的に業として行うことができません)。

 

2は、それまでは「しっかり勉強していれば資格なんて関係ない」と思っていましたが、日本という法治国家で生きていくには、きちんと法的に認められた国家資格を取得し、法の下で国のお墨付きで仕事をしていく方が余計なストレスもなく良いと思ったからです。実際どんなに勉強をしていても、医療系の国家資格を持っていないと社会的には「無資格者」という扱いとなり、医療関係者からは相手にもされないという現実があります。国家資格が無ければ参加できないセミナーや勉強会なども多いです。

また、柔道整復師は医療系国家資格の中でも特に骨・筋肉・関節の専門資格であることも取得しようと思った要因の1つです。

~12回連載・⑤に続く~