治療家としての20年間で学んだこと⑧

この業界に入り14年目、この年(2014年)に地元の北海道札幌市に戻り開業することにいたしました。まる13年間、東京という学ぶには最適な場所で学んできました。

勉強に終わりはありませんが、ここで一区切りつけても良いかなと思いました。自分でもある程度満足できるだけは勉強してきましたので。また、いくら学んでもいくら技術を身に付けても、雇われで勤務しているうちは使える技術が限られてしまいます。せっかく学んでもあまり使える場が無く、勉強すればするほど空しさだけを感じてしまいます。開業しなければ報われないのが我々の仕事なのです。

 

地元に戻り1年間は開業準備をして、2年目でようやく開業することができました。ただ、自分の知識や技術をフルに使える状態になると今まで以上に勉強したくなってしまい、結局は地元に戻ってからも(開業前から)以後6年に渡り2~3か月に1回のペースで東京へ勉強しに行くことになってしまいました(新型コロナウィルスの影響で帰郷7年目の去年は3回ほどしか行けませんでした)。

 

札幌に戻って来てからも、特に「キネシオ療法」の勉強会(東京)には継続して参加してきました。「キネシオ療法」とは「キネシオテーピング療法」を含む複数の治療体系の総称で、加瀬建造先生(カイロプラクティックの治療家でキネシオテーピング療法創始者)が独自に開発し臨床で行ってきた治療法をまとめたものです。いくつかの治療法がありますが、コンセプトは共通しています。そのコンセプトとは「空」・「動」・「冷」です。この各説明は大変長くなるのでここでは割愛させてもらいますが、それらを達成させるための治療法が「キネシオ療法」と呼ばれる各療法なのです。

「キネシオ療法」の中には「キネシオテーピング療法」「筋・筋膜スラッキング療法」「クライオセラピー」「マッスルユニットトレーニング」「オステアローザ」「筋膜アジャスト」のそれぞれの治療法があります。その中でも特に重要なものが「キネシオテーピング療法」と「筋・筋膜スラッキング療法」です。この2つは特に直接指導を受けながらでも習得に年数がかかるもので、見よう見まねでは絶対に出来ない大変高度な治療法です。

 

それまで勉強してきた「カイロプラクティック」も「柔道整復術」も「マッケンジー法」も、それぞれ奥が深く大変すばらしいものですが、一通り勉強しある程度技術を習得することが出来ればあとは臨床経験を積んでいくしかありません。「キネシオ療法」も経験を積まなければならないのは共通していますが、他の治療法と比べてもはるかに応用範囲が広く、また私が想像していたよりも物凄く奥が深すぎて、学んでも学んでも区切りというか終わりが見えません。この治療法を学び続けているうちに以前からの疑問であった、

1、「カイロプラクティックでは体(特に背骨や骨盤)のゆがみや動きの悪い関節を矯正して治療するが、そもそもなぜ体はゆがむのか、なぜ背骨や骨盤の関節の動きが悪くなるのか」

2、「キネシオテーピング法を使うと目的の筋肉を最良の状態に回復させるので、機能が回復し症状も軽減させることができるが、同じように治療してもあまり効かない、もしくは効きにくいことがあるのはなぜか」の答えが見えてきたのです。

(この答えに関してはあまり詳しく書いてしまうと大変な文章量になってしまい、誰も読まなくなってしまうので、次回以降なるべく簡潔に記載いたします。)

 ~12回連載・⑨に続く~